【生活トレンド研究所レポート】
親子が思う“終活”にギャップがある可能性が!?「親の“終活”に関する調査」を実施
〜自分の親の「終活」を認知している子どもは約1割〜
〜親の死亡時に困りそうなのは、「死亡を伝えて欲しい人の連絡先が不明」〜

2012年12月20日
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株式会社オールアバウト

株式会社オールアバウト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 兼 CEO:江幡哲也)が運営するマーケティング・チャネル「生活トレンド研究所」は、第四弾のレポートとして、All About『相続』ガイドの加藤昌男氏を研究員ガイドに迎え、「親の“終活”」に関するアンケート調査を実施しました。
調査協力は、株式会社マクロミル。調査期間は2012年12月5日(水)〜2012年12月6日(木)、30〜50代の両親及び父親か母親のどちらかがご存命中である方900名から有効回答を得ました。

※「終活」とは…「人生の終わりのための活動」の略であり、人間が人生の最期を迎えるにあたってするべきことを総括したことを意味する言葉。主な事柄としては生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくことが挙げられる。(Wikipediaより引用)

■調査結果のポイント

1)子ども世代の“終活”認知は32.2%、一番高いのは「50代女性」
今回、“終活”の対象となる方々の「子ども世代(30〜50代)」を対象に、「親の“終活”」について調査を行ったところ、“終活”自体の認知度(=意味まで知っている)は全体で32.2%、特に高かったのは50代女性で42.7%でした。
【グラフ1】【グラフ2】

2)自分の親が“遺言書”を用意しているかどうか知っているのは9.5%、
  “遺言書”を用意して欲しいと思う人は49.8%と約半数となった

自分の親が“遺言書”を用意しているかどうかについて聞いたところ、「内容まで知っている」「内容までは知らないが用意していることは知っている」が合わせて9.5%と、1割にも満たないことがわかりました。性年代別で見ると、「内容まで知っている」のは50代男女が一番高い結果となりました。
さらに、“遺言書”について用意して欲しいかどうかを聞いたところ、「思う」「思わない」がほぼ半々という結果になりました。親と同居しているか別居しているかで見たところ、特に別居している女性に「用意して欲しい」と思う傾向があることが明らかになりました。
【グラフ3】【グラフ4】【グラフ5】【グラフ6】

3)自分の親が“終活”をしていることを知っているのは10.4%、
  また、「自分たちで整理するから“終活”の必要はない」と考える人は25.2%

自分の親が“終活”をしているかどうかは、「している」が10.4%、「していない」が41.8%、「しているかどうか知らない」が47.8%と、約半数が親の終活について知らないということが明らかになりました。性年代別で見ると、30〜40代の半数近くが「終活をしているかどうか知らない」と回答していました。
また、自分の親に“終活”をして欲しいかどうかについては、49.3%が「万が一のときのためにして欲しいと思う」と回答しているなかで、25.2%が「自分たちで整理するからその必要はないと思う」と回答していました。特に親と同居している50代男女にその傾向が強いことがわかっています。
【グラフ7】【グラフ8】【グラフ9】【グラフ10】

4)“終活ギャップ”にご用心!自分の親が亡くなった際に困りそうなのは預貯金や
保険の他に、死亡を知らせて欲しい人とその連絡先について知らない」が上位に

自分の親が亡くなった際に困りそうなことについて聞いたところ、「預貯金をしている銀行や口座がわからない(44.3%)」、「どのような保険に入っているかわからない(37.3%)」といった金銭問題に関する項目の他に、「死亡を知らせて欲しい人とその連絡先について知らない(39.4%)」や、「葬儀関係の希望について把握していない(34.2%)」といった項目が上位にあがっていました。
【グラフ11】

5)自分の親に“今後したいこと”は、「ありがとうと伝える」がトップ
今回の調査では、最後に「親に対してやりたいこと、既にやったこと」についても聞きました。「既にやったこと」のトップ3は、「自分の名前の由来を聞く(46.1%)」、「自分が生まれた時の話を聞く(42.1%)」、「親の若い頃の写真を見る(37.8%)」でしたが、「今後やりたいこと」のトップ3は「親に直接ありがとうと伝える(34.4%)」、「親を海外旅行に連れて行く(22.3%)」、「両親の思い出の場所に連れていく(21.8%)」でした。
【グラフ12】

■「相続」ガイド 加藤昌男氏のコメント
「終活」は子の世代にも認知度が高まっているのが今回の調査結果からよく分かります。遺言を書いている人は1割弱と言われています。調査結果でも「親が遺言書を用意していることを知っている」人が1割弱でしたので、書いている人は子に伝えていることが分かります。「遺言は感謝の手紙」です。遺言は、書く人にとって経済的なメリットはありません。それでも遺言を書くというのは、財産を渡す人に感謝の気持ちがあるからです。よく、子の側から遺言を書いてもらうにはどうしたらいいのでしょうか? と相談を受けます。「遺言は感謝の手紙」ですから、書いてもらうには親孝行をすることです。一緒に旅行に行ったり、食事をしたりして多くの時間を一緒に過ごすことです。

「Q7.親が亡くなった際に困りそうなこと」で、第1位が「預貯金をしている銀行や口座がわからない」とありました。しかし、あまり心配は要りません。実際には、相続が発生すると、貴重品入れの中に、通帳や証書がありますので、それを手がかりに残高証明をとれば、財産の額は把握できます。それよりも、「死亡を知らせて欲しい人とその連絡先が分からない」方が問題です。これは、本人でないと分からないことですし、バタバタした中で行なわなければならいことなので、知らせて欲しい人とその連絡を聞いておくことは必要です。葬儀後に、バラバラと自宅を訪ねられるのも困るという意見もよく聞きます。

これから「終活」をしようとされている方は、こういった「困ること」などを参考にされると、 親子間でのギャップもなくなるのではないでしょうか。ちょうど、お正月でご実家に帰る人も多いと思いますので、今年の正月は、今後についてじっくり話してみるといいと思います。

■調査概要
・調査期間:2012年12月5日(火)〜2012年12月6日(水)
・調査対象:30歳以上60歳未満の男女(マクロミルモニタ会員)
・有効回答数:900件
・属性:30代男女 300ss、40代男女 300ss、50代男女 300ss
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査機関:マクロミル

調査結果につきましてはPDFをご覧ください。
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「生活トレンド研究所」について
「生活者のトレンドと未来をひも解くマーケティング・チャネル」であることをミッションに掲げ、総合情報サイト「All About」で活躍する住宅、マネー、健康、グルメ、一般消費財等、様々な領域における専門家(=ガイド)が研究員となって、企業と生活者がより良い関係性を構築するための調査、市場分析を行なっていきます。その分野における高い専門性はもちろんのこと、生活者・実務家としての考えや想いも兼ね備えた「All Aboutガイド」ならではの分析・考察を重ねることで、表面的な定量データでは捉えられない新たな潮流や課題を浮き彫りにしていきます。

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